旅とヴィパッサナー瞑想の実践を通じて学んできたブッダの教え、自然の教えをテーマにしたエッセイです。
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サウダージ・ブックスは「旅」と「詩」と「自然の教え」をテーマにしています。人生という旅の途上で、詩の言葉や自然の恵みなど、さまざまな世界に触れたとき、身体の外から受け取ったものが、内側ではどんなふうに響いているのか。その感覚をただ感じたままにしておくだけでなく、自分の言葉で表現してみるとしたら? それは、わたしたち自身が本当はどういう存在なのかを思い出してく旅路につながっていくと思います。
私自身は、ここ3年ほどのあいだにヴィパッサナー瞑想の実践を通じて、ブッダの言葉に触れる機会が多くなりました。それは「仏教」という宗教の枠組みにカテゴライズされる以前の、ブッダ自身による直接の教えであり、あえて一言であらわすとすれば「自然の摂理」と言えるでしょう。ヴィパッサナーとは、「現実をありのままに観察する」ことを意味しています。
ブッダはこの瞑想法を実践することによって涅槃に至ったと伝えられていますが、それよりも大切なのは、たったいま心と身体に起こっている現実を観察することによって、「わたしたち自身を知る」ということ。それは、自然界にあるものごとの真理を直接体験することにほかなりません。自身の真理を知るにつれて心と身体は解放され、より献身的な、バランスのとれた生き方へと変化していきます。
「旅」と「詩」がこれまでのサウダージ・ブックスのテーマでしたが、新たにそこに「自然の教え」として、いにしえの賢者たちの言葉や、自然の摂理に静かに耳をすませることも、大切にしたいと思いました。そうした教えとの出会いによって生まれた内なる響きを私も言葉にして、これまでの旅の体験談なども交えながら、「Walkabout」というコーナーのなかでこれから発信していこうと思います。
プロフィール
浅野佳代(あさの・かよ) 瞑想と文筆。サウダージ・ブックス代表。Instagram: @kayo_saudadebooks
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