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Books of Transistor Press

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パンの心臓

Corazón del pan

著者 ミシマショウジ

定価 1600円+税

80ページ(1色72ページ、カラー8ページ) B6判 並製


初版発行日 2021年3月11日
発行 トランジスター・プレス

ISBN978-4-902951-10-3

紹介文

パン屋に爆弾を落とすな
パン屋を攻撃するな

そこには旧式の大きなオーブンがあり
そこには一週間ぶりに届いた小麦粉の袋があり
そこにはガタガタ音をたてて回るミキサーがあり……
——ミシマショウジ「シリアのなんとか大統領へ」

Corazón=コラソン、魂ともハートとも愛とも。
死んでいった者とともにパンのひとかけ食べるように、ひとつづつ詩を書いて一冊に。


彼らはいつも私たちとともにいて声を、それはひかえめなものだとしても、それでもなお何かを言っているように思うから、そしていつもすでに私たちは彼らとともにいるのだと思うから。

 

ameen's oven・パン製造担当のミシマショウジの第一詩集。広本雄次によるカラー写真10点、モノクロ写真4点を収録。

付録「カラベラの栞」に小笠原博毅(カルチュラル・スタディーズ)、鋤柄史子(翻訳研究)のエッセイも。


目次

コックコートは重くて肩がこる
手の祈り
みえないから、そして雨は核種に凝結してふる
カラベラ・リテラリア calavera literaria ガイコツの歌
Velvety Dark Chocolate

トランスフォルミスモ
茸の耳
アンフラマンスの紐文字
湿度80% 温度28℃
一つは少なすぎるが二つは多すぎる
石炭袋星雲群
ヴォイスビートの少年
シリアのなんとか大統領へ
Shiriako ez-dakit-zer-presidente jaunari 金子奈美(バスク語訳)
注記


著者紹介

ミシマショウジ

製パン店 ameen's oven 店主。酵母を醗酵させながら詩を書く。友人たちと『詩の民主花』を発行。詩集に『敷石のパリ』(共著、トランジスタ・プレス)、『Ghost Songs』(黒パン文庫)。

https://www.kuropanbunko.com/

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敷石のパリ

——カラフルなざわめきの足音へ
Traversée de Paris

著者 清岡智比古、ミシマショウジ、佐藤由美子、管啓次郎

 

定価 1600円+税

104ページ B6判変型 並製
初版発行日 2018年12月22日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-09-7

版元品切・重版未定

オンラインショップで限定販売中

紹介文



◎菊地信義さん評(「毎日新聞」2019.5.12)
《4人の詩と写真6枚を綴ったノート。はしなくも本の素肌に触れる、そんな印象をまとわせる小粋な文庫版》

おぼえているかい?
そこはパリから北へ北へ進んだ
大陸の果てにある海辺の街だった
子どもたちがヒラヒラと飛び回る
黄色い蝶の群れを追いかけていた
波の音すらしないような
あの穏やかな薄い水色の海が
どこまでも遠くに続く街だ……
ーー佐藤由美子「蝶の記憶」より

しずかな朝のモンパルナスで
セルジュが歌っている
しずかな秋の朝にむかって
つぶやくように、ささやくように……
ーー管啓次郎「モンパルナス/パリについて」より

パリ5区ブシュリー通りにシェークスピア・アンド・カンパニーという書店があります。この書店のアーカイブを担当する方からのある問い合わせがきっかけとなって、4人の詩人が集まり『敷石のパリ』が生まれました。今年(2018年)は mai 68(パリ5月革命)から50年。mai 68当時、シェークスピア・アンド・カンパニーは学生たちをこっそり匿っていたことでも知られています。

モノクロームのパリの写真(北井晴彦撮影)を6点収録、焼失前のノートルダム寺院が映った写真は貴重なものに。

 

目次

清岡智比古
 四季を運ぶ
 パリのモハメッド かく語りき
 イノサン 無垢なるものたち
 ベルヴルへ パリで『世界』を見た日に
 ランビュトー通り 午前三時

ミシマショウジ
 パヴェ 敷石
 パンデムエルト 死者のパン
 カトリーナ
 カトリーナと若者
 セーヌ河によせて くじら

佐藤由美子
 黄色い灯台
 パリの下水道
 蝶の記憶
 蟻の頭のクスクスに捧げる詩
 Loさんと散歩

管啓次郎
 パリについて
  モンパルナス
  セーヌ 1
  セーヌ 2
  ガラス都市 1
  ガラス都市 2
  犬遊び
  カルチェ・ラタン


著者紹介

清岡智比古(きよおか・ともひこ)


『東京詩』(2009年)は、「詩人たちの東京をモチーフとした詩を、東京という都市の「地誌」として作りだそうという試み(吉本隆明)である。詩集に『きみのスライダーがすべり落ちるその先へ』(2014年)。また映画論『パリ移民映画』(2015年)、都市論『エキゾチック・パリ案内』(2012年)がある。明治大学理工学研究科総合芸術系教授。

ミシマショウジ

 

「詩は万人によって作られなくてはならない」というロートレアモンの言葉をもって、黒パン文庫を主宰。詩の朗読、ライブなど、友人たちと言葉と音を持ち寄りざわめきの夜を過ごす。『Ghost Songs』『詩の民主花新聞』などの zine を発行。製パン店 ameen’s oven 店主。

佐藤由美子(さとう・ゆみこ)

 

ビート・ジェネレーションの作家や詩人の影響を受け、詩や物語を書き始める。グラフィックデザイナーのしのやま小百合と二人で art up poetic butterfly という本やことばをテーマにしたアート活動、カフェ・ラバンデリアを拠点にトランジスタ・プレス(一人+猫)の出版活動もしている。

管啓次郎(すが・けいじろう)
 

詩の主題は以下の通り。地下風水と人間社会、地形および気象と人の気分、そして人間と動物との関わり。詩集に『Agend’Ars』4部作(2010—2013年)、『数と夕方』(2017年)、英文詩集に『Transit Blues』(2018年)がある。『斜線の旅』で読売文学賞受賞(2011年)。明治大学理工学研究科総合芸術系教授。

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喫茶茶会記 〈profile 1〉

企画・編集 福地史人

 

定価 2400円+税

194ページ 46判 上製 
初版発行日 2017年12月23日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-08-0

紹介文



ここに出入りする人たちのプロフィールが本になった、ここは綜合藝術茶房、喫茶茶会記、「道は場なり」と老子の言葉を借りれば、さまざまな芸術が出逢う交差点、五感の触れあいに魂も震えるスクランブル交差点、そうここは四谷の喫茶茶会記……
——PANTA(頭脳警察)

これがジャズだ! 

「たとえ天下人でも一旦、にじり口をくぐればすべて平等な人間になる」という利休の精神を受け継ぎ喫茶茶会記が命名されてから十年が過ぎた。抹茶が出てきそうな店名でも、実はジャズ喫茶であり、喫茶室の奥の扉を開けばライブスペースが広がっている。この摩訶不思議な異空間、綜合藝術茶房である喫茶茶会記に出人りする人々は実に個性的だ。その様々な分野の個性あふれる面々が、学歴や受賞歴でなく、己の人生と表現を描写し文章化したプロフィールが一冊の本にまとまった。頁をめくるごとに、現代に息づく茶の湯の熱い自由精神が、静かなる炸裂り広げる。


目次

能見誠
田中悠宇吾
Primary Jazz Server
大原とき緒
成瀬紀子
伊藤満彦
大野慎矢
白石雪妃
成田正延(成田屋古漫堂)
喜多尾浩代〔ほか〕

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ギンズバーグが教えてくれたこと

​——詩で政治を考える

著者 ヤリタミサコ

 

定価 1600円+税
80ページ 46判変形 上製
初版発行日 2016年9月27日
発行 トランジスタ​ー・プレス
ISBN97
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紹介文

Truth may be hard to find but Falsehood's easy
真実を見出すことはむずかしいけど 偽りは簡単だ
——アレン・ギンズバーグ

スリーマイルアイランドの原発事故以前に原発反対を唱えて線路に座り込み運動をしたアメリカの詩人ギンズバーグ。プルトニウムへの鎮魂歌、全体主義への警鐘……。ギンズバーグの詩を通して政治を考える。

著者訳によるギンズバーグの詩を5編収録し、また北井晴彦の写真、Painter Kuroのアート作品も掲載しています。


目次

はじめに
1 ギンズバーグの警鐘は
2 プルトニウムへの鎮魂歌
3 ギンズバーグがCIAの裏資金とブッシュを批判する
4 東南アジア史を知らされず、現代のアジアを知らない日本人
5 全体主義への警鐘
ヤリタミサコのあとがき
参考文献


著者紹介

ヤリタミサコ

 

詩人。北海道岩見沢市朝日炭鉱の生まれ。明治学院大学と東洋英和女学院大学大学院で、アメリカ現代詩と女性学を学ぶ。ビートやフルクサス、詩とアートの評論、カミングズやギンズバーグの訳詩、ヴィジュアル詩、音声詩など多数。靉嘔・塩見允枝子作品とフルクサスのピース演奏、ヨーコ・オノ作品翻訳など。

 

著書・訳書(共著共訳を含む)に『ビートとアートとエトセトラ』『詩を呼吸する』『カミングズの詩を遊ぶ』『メディアと文学が表象するアメリカ』『そのままでいいよ。——ジャック・ケルアックと過ごした日々』『北園克衛の詩と詩学』​。

アレン・ギンズバーグ Allen Ginsberg


1926年6月3日—1997年4月5日。アメリカの詩人。ジャック・ケルアックとともにビート文学の代表的存在。ニュージャージー州パターソン生まれ。コロンビア大学卒業後、ウォルト・ホイットマンの詩から影響を受け、現代社会における自己疎外を描いた代表作「吠える」を、1955年サンフランシスコのシックスギャラリーで初めて朗読したのち、一躍ビートジェネレーションの雄となる。「カディッシュ」「アメリカの没落」「白いかたびら」など、母との葛藤、現代文明批判、生と性と死など深いテーマを考察する詩を発表。クラッシュやポール・マッカートニーらとライブ朗読も。

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News from Nowhere 01: Loser's Paradise in Brooklyn

著者 Yumiko Sato
絵 Chiaki Tagami
翻訳 Sulejman Brkic

定価 1000円+税

32ページ(カラー) B7判 中綴じ(日本語版冊子付)
初版発行日 2015年10月
発行 トランジスタ
ー・プレス
ISBN978-4-902951-06-6

版元品切・重版未定

目次

This is Losers' Paradise(
自分自身でいる人々のための場所)
The Statue of Liberty fro Smith 9th. Street(スミス・ナイン ストリートからの自由の女神)
Bridge to Losers' Paradise(パラダイスへの橋)
My Favorite Place to Have an Ice Cream(アイスクリーム休憩の特別の場所)
Keep Your Coins, I Want Change(お金はいらない、欲しいのは変革)
In the Town of Black Cats(黒猫のいる街)
Morning Gray(グレイッシュな朝)
Birth of sounds(音が生まれる場所)
In the City, In the Rain(雨の町)
Collect Moments(一瞬のコレクター)
The Brooklyn Commune(ブルックリン・コミューン)
I was Here(私はここに)
There are no lonely dreams here(ここには孤独な夢はない)
Did you hear the sounds of snow falling?(雪の降る音、どんな音?)


著者紹介

田上千晶(たがみ・ちあき)


イラストレーター。成城大学国文学科卒業後、セツ・モードセミナー卒業。2001年、ザ・チョイス年度賞受賞。書籍、広告などの媒体で活動中。

佐藤由美子(さとう・
ゆみこ)
 

ビート文学に影響を受け、一人出版のトランジスタ・プレスを立ち上げる。新宿2丁目にある「カフェ・ラバンデリア」の運営メンバーの一人。アメリカの本と雑誌の情報誌『アメリカン・ブックジャム』や『12 water stoies magazine』 の創刊に携わり、ともに副編集長をつとめる。共著に子どもの洋書の書評集『キッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』等。

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新約ビート・ジェネレーション

著者 北口幸太

定価 1600円+税

240ページ B6判変形 並製 
初版発行日 2014年7月18日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-05-9

 

版元品切・重版未定

紹介文

「ビートとは何だろう」というインタビュアーの質問に対してケルアックが、「ビートとは共感かな……」と答えていたことを思い出す。

「共感すること」。これこそが、偶然の出会いを形作っているのかもしれない。…

こういうように共感する人たちが共にみるイメージが集まることで、目に見えない共和国のようなものができているのかもしれない。私のような一人出版が、これからしていかなければいけないのはそのイメージをパッチワークのように集めていく作業で、そのイメージを地図にして、見えない共和国を探っていくことだ。
——佐藤由美子「見えない共和国」 本書より


第二次世界大戦後のアメリカに現れた文学集団、ビート・ジェネレーションについて考察。ビート・ジェネレーションとアメリカ社会の関係、彼らが示した道、残した作品などについて分析する。トランジスター・プレスの代表で詩人の佐藤由美子のエッセイ「見えない共和国」を収録。


目次

はじめに
第1章 ビート・ジェネレーションとは
第2章 1950年代のアメリカ社会(政治/外交、人種問題と黒人文化、経済、文化、アメリカ文学[1945~1969])
第3章 ビート・ジェネレーションを探求する(Thinking ビート・ジェネレーション、戦後ビートはなぜ生まれたか?、ビートニクな人々、『路上 On The Road』)
第4章 ビート・ジェネレーションが与えた影響--60年代へ次の世代へ
第5章 1970→NOW
最後に
ある日の出来事(山崎裕)
新約ビート・ジェネレーションに寄せて(黒田正和)
見えない共和国(佐藤由美子)


著者紹介

北口幸太(きたぐち・こうた)

関西大学大学院社会学研究科卒。大学在学中にビート研究に没頭、現在に至る。日々勉強、日々探求し、フットボール、音楽をこよなく愛する。マンキュニオンであり、マンチェスター・シティのファン。​​

チェのさすらい

著者 ラモン ・チャオ
翻訳 エビハラ ヒロコ
イラスト ヴォズニャック

 

定価 1500円+税
144ページ A5判変形 並製 
初版発行日 2011年10月9日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-04-2

版元品切・重版未定

紹介文

ラジオ・フランスから激動の現代史を見つめてきたラモン・チャオ。ミュージシャンのマヌ・チャオの父、ジャーナリストのイグナシオ・ラモネの盟友としても知られるガリシア人作家が、チェ・ゲバラの人生をドン・キホーテの遍歴と比較したユニークな手法で語る。


目次

プロローグ イグナシオ・ラモネ
自転車「ポデローザ(怪力)号」に乗って
自転車「ポデローザ(怪力)2号」に乗って
一つの冒険の終わり
番外編
ラモン=チェ=ドン・キホーテ
検閲
年譜


著者紹介

ラモン・チャオ Ramón Luís Chao Rego

作家、ジャーナリスト。1935年7月21日、スペインのビラルバ(ガリシア州)に生まれる。1955年、スペイン政府の奨学金を得てパリに音楽留学。1960年、音楽批評担当としてラジオ・フランスに入社。ラジオ・パリのガリシア語放送のディレクターを務める。1967年、Luis López Álvarez と共に制作した『De la Bastilla a Moncada』がキューバのラジオ・ラ・ハバナ主催のラジオコンクールでラジオ賞を受賞、キューバ政府から招待でキューバを初訪問する。1990年、ウルグアイ人作家フアン・カルロス・オネッティとの会話を基にした小説『Onetti』を発表し、セルバンテス賞を受賞。1992年、フランスの新聞 Le Monde 紙の文芸批評担当となる。Las Notas de Viaje de Ernesto Guevara(邦訳は『チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記』)のフランス語版に序文を寄せる。2003年、スペイン政府から市民功労賞を授与される。2007年、 Las andaduras del Che(チェのさすらい)発表。

ジャック・ケルアックと過ごした日々 そのままでいいよ。
You'll be Okay

 

著者 イーディ・ケルアック=パーカー
編者 ティモシー・モラン、ビル・モーガン
翻訳 前田美紀、ヤリタミサコ

 

定価 2400円+税
400ページ 46判変形 並製
 
初版発行日 2010年8月20日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-03-5

 

版元品切・重版未定


紹介文

生きながら時間に食い尽くされること
それは、盲目の鳥のようなもの?
まっしぐらに天高く飛んでゆくこと
それは人生に似ている——どこへも行けない
どこへもたどり着かない私の生きる理由
は、過去があるから
でも、未来みたいに
過去も続くのだろうか?
——イーディ・ケルアック=パーカー

舞台は『路上』前夜の1940年代、ニューヨーク。ケルアックの最初の妻で永遠のミューズ、イーディによる回想録。彼女は、ケルアックとギンズバーグ、バロウズ、後のビート代表作家たちとの出会いを作った。

本書は、ビートジェネレーション黎明期を伝える唯一の女性の声でもあり、ケルアックからイーディに宛てた未発表の手紙を含め、まだ誰も知らなかった生の輝きに満ちたケルアックの声が語られている。そのため本国アメリカでビート研究の歴史を変えた。ビート研究者、ビート作家ファンにとって待望の書がついに登場。


目次

感謝をこめて ティモシー・モラン
詩 イーディ・ケルアック=パーカー
序章 ティモシー・モラン
序文 ビル・モーガン
はじめるまえに イーディ・ケルアック=パーカー
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
第8章
第9章
第10章
第11章
第12章
第13章
第14章
第15章
第16章
第17章
第18章
第19章
第20章
第21章
第22章
第23章
第24章
第25章
第26章
第27章
第28章
第29章
第30章
第31章
第32章 イーディからの聞き語り as told to the editor
追記 ティモシー・モラン
Up date イーディの物語の後


著者紹介

イーディ・ケルアック=パーカー

1922—1993年。ミシガン州デトロイト生まれ。ジャック・ケルアックの最初の妻で、ケルアックにとって生涯のミューズ。1944年、後にビートの代表作家となるケルアック、ギンズバーグ、バローズの3名の出会いの場を作ったにもかかわらず、イーディの存在はビートの歴史の闇に埋もれたままだった。

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黄色い象

著者 仲光健一
 

定価 750円+税
116ページ 46判変形 フランス装
初版発行日 2007年12月16日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-02-8


紹介文

ローリング、ローリング。ロック・ライフな詩人があなたに綴る手紙(英訳付)。本書は、『12 water stories magazine』2000年12月発行の No.6 winter issue に掲載された『黄色い象——Memphis TN 38152 U.S.A.——』のオリジナル・バージョン。目に見えない不安、目に見える暴力が渦巻く日々。繊細な心を失わずタフに生きるための勇気を、読む人の心にきっと伝えてくれる。

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僕は怪我で療養中に、納屋に眠っていた弁当箱サイズの古ぼけたトランジスター・ラジオを通して「バター・クランチ・キッド・ラジオショー」という海賊放送をキャッチする。
エルビスの「ミステリートレイン」とともに始まり、弱々しいノイズ混じりの放送は、やがて「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が流れ出しウルフマン・ジャックを真似た DJ が、がなり始めた。
「オイラの声が聞こえているかい、今夜もゴキゲンなロックン・ロール・ミュージックをガンガン飛ばしていくよ、ハッピーな夜にしてちょうだい!」
そんなオールドファッションなスタイルとともに、かかる音楽もオールディズ。
ビートルズを「新しいグループ」と紹介するペテンにも笑わされる。
番組の最後に DJ は、黄色い象について語り始めるのだった。
ロックンロールは全部この「黄色い象」のことを歌っているという。
「バター・クランチ・キッド・ラジオショー」は、木曜日の夜にティーンエージャーをとっくにすぎたシケたツラしたヤツらのビール腹にジャブのお見舞いをして、もう一度黄色い象を見せてやるために放送しているというのだ。
そんな黄色い象とは?
僕は、勇気と正義とロックンロールに溢れたこの番組と出会った感動を、
ロックンロールの聖地、メンフィスに留学中の親友に宛てた手紙に綴ることにした。

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radio people books(ラジオピープル・ブックス) は、超低音波な声を伝える紙のラジオ局。雨がその声を読者に届けてくれて、傘が受信機になってくれるように。中国には、「雨が降ると、懐かしい友がやってくる」という古詩があります。radio people books 第2号の『黄色い象』は、ロック・ライフな詩人があなたに宛てた手紙です。この手紙がみなさんにとって懐かしい友からの手紙のように感じてくれたらうれしいです。


著者紹介

仲光健一(なかみつ・けんいち)

1965年7月 東京生まれ
1987年から藤沢由二(ジャズピアニスト)とソングライターユニットを結成
1992年 「秋元康賞」受賞(月刊『カドカワ』主催)
1997年 EPIC/SONYオーディション合格
1999年から散文詩の創作を始める

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ゴスペル 
 

著者 佐藤わこ
 

定価 750円+税
128ページ 46判変形 フランス装
初版発行日 2007年12月216日
発行 トランジスター・プレス
ISBN978-4-902951-01-1


紹介文

東京ポエトリーシーンのパイオニア、佐藤わこの初めての詩集(英訳付)。

長編詩『ゴスペル』は、ミレニアムに向けて1999年1月9日、東京ポエトリーシーンの中心的な場であった「ハートランド」で、初めて朗読された。その内容は、愛や平和だけでは語り切れない地球規模の危機が続く21世紀のヴィジョンを私たちに伝えたものだった。現実の21世紀を迎えた今、『ゴスペル』は「対テロ戦争」という単純な図式では解決しない、物資面と精神面を含めた世界的な貧困と格差社会を生み出した得体の知れない闇の姿を生身の感触を与えながらあぶり出す。現代社会が抱えるこの救いようのない問いに対し詩人は、静かな希望やかすかな勇気をわたしたちに与えてくれる。当初は音でしか表現されていなかったが、自主制作版を経た後、今回は山下聡子氏の英訳、田上千晶氏のイラストも加えての出版となった。

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radio people books(ラジオピープル・ブックス) は、超低音波な声を伝える紙のラジオ局。雨がその声を読者に届けてくれて、傘が受信機になってくれるように。中国には、「雨が降ると、懐かしい友がやってくる」という古詩があります。radio people booksの第1号『ゴスペル』も、みなさんにとって懐かしい友のような本になってくれることを願っています。

著者紹介

佐藤わこ(さとうわこ)


ポエトリー・リーディングを中心に活動する詩人。左鳥話子という名前も持つ。1995年よりポエトリー・リーディングを始める。アメリカン・ブック・ジャム東京オフィスの佐藤由美子(現トランジスター・プレス代表)を中心とした東京ポエトリーシーンが生まれる瞬間を体験。ポエトリー・リーディングのイベント、出版等を制作企画するインディーズ・レーベル「プリシラ・レーベル」を詩人カワグチタケシと共に立ち上げ、多くのイベントに参加。

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